ヨメ行けず同盟

私には夢がある。壮大な夢だ。その為にはたくさんの物を犠牲にしなければならない。そうである、その為に犠牲にするのだ。
「ヨメ」を。
決して貰い手がいないなどと言う同情される状況でない。私は進んで「結婚」という人生の墓場を選択しないだけである。そう思っている。いや、そう思いたい。

しかし先に話した事はあながち嘘でもない。つまり何かする為に犠牲になる物を選ぶのなら「結婚」を真っ先に考えるという訳だ。「結婚」というものがそこまで特別な位置にあるのかと言えば、そんな事はないと思う。自然の流れであり、充分今の生活を保ったまま出来る事だとも思っている。そのうえで好きな人とずっと一緒にいられるなんて万々歳ではないか。

儒教に「終身斉家治国平天下」とあるが、私は身軽な事を愛する。好きな事を好きな時に好きなだけやりたいと思う。まだ身を修める段階にまで来ていないのだから、家を斉える（ととのえる）事も出来ないだろう。そして身を修める気もないから家を斉える事も自粛する。つまり「結婚」を犠牲にする。

とは言ってもこの同盟は「ヨメ行かず同盟」ではない。あくまでも「行けず」である。そう、なんやかんやと誤魔化して言ってみたが、結局「行きたくても行けない」のだ。

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